日本は取り残されている? 世界の電子マネー市場

日本ではsuicaなどの交通系、nanaco・WAONなどの流通系がメインとなっている電子マネー。みなさんは電子マネーをどのくらい使用されていますか? 電子決済の利用を推進するスウェーデンでは現金使用率が僅か3%しかないなど、日本は現金から電子マネーへの移行で遅れを取っていると言われています。 
海外の電子マネー利用状況や日本で電子マネーの普及が進まない背景についてご紹介します。

そもそも電子決済のメリットとは?

スウェーデンやデンマークなどで国策として進められているキャッシュレス化のメリットとして以下のようなものが挙げられます。

1.安全性の向上

日本ではそれほど意識しないで済む内容かもしれませんが、「店舗に現金を置かなくて良くなる」というのは防犯上の大きなメリットとなります。

2.運用・管理コストの削減

現金管理に比べデジタルデータでの管理はコストが掛かりません。わざわざ現金を数える必要もなければ、「会計と現金が合わない!」なんてこともありません。

3.店舗運営の効率化・売上向上

店舗・利用者共通のメリットですが、電子マネーでは一度の決済にかかる時間が現金より大きく削減できます。また、現金以外の決済方法では非計画購買や予定よりも価格帯の高い商品購入などによる、購買単価の上昇傾向があり、店舗としては売上向上が期待できます。

4.決済状況の透明化

全ての決済内容がデジタルデータとして蓄積されるため、お金の流れの透明性が高くなります。1の安全性の向上と同じく、これにより金銭による治安問題を軽減できます。

急拡大する中国の電子マネー市場

北欧がキャッシュレス化先進国とお伝えしてきましたが、今急速にキャッシュレス化が進んでいるのが中国です。その特徴はクレジットカードやICカードではなく、モバイルデバイス(スマートフォン)による電子決済が大きく拡大していること。 

英紙フィナンシャル・タイムズ紙によると、2016年の中国のモバイル決済額は38兆元(約630兆円)にものぼり、それを牽引するのがAlipay(アリペイ)、WeChat Payment(ウィチャットペイメント)の2プラットフォーム。 
最近では日本のローソンなどでも、アリペイにより支払いができるPOPを目にするようになってきています。 

電子マネー市場拡大の特徴としては、途上国でキャッシュレス化のスピードが早いことです。現金決済がメインでクレジットカードの利用率が低い国であれば、現金から電子マネーへと直接移行が行われるため、急速の電子マネー市場の拡大へと繋がります。また、途上国では治安面でも電子マネー導入のメリットが高い点が追い風となります。

日本の電子マネーの今

一方、日本国内の電子マネー市場も着実に成長を続けています。株式会社カード・ウェーブが発表した電子決済の利用率予測では、2015年時点の20%程度から2020には30%程度までの拡大を予測。決済額としては約56兆円から82兆円ほどへ拡大することになります。 

しかし、それでも現金決済率は全体の60〜70%を占める計算となり、キャッシュレス化には程遠いと言わざるを得ません。その原因は途上国と全く反対の背景があるためです。 
まず、治安が非常にいいため現金保有のリスクが低いこと。クレジットカードの利用が進んでおり電子マネーへの移行がスムーズに進まないこと。そして、複数の電子マネーが乱立し、対応や互換状況に不便性がある。といった点が考えられます。 

まだ、国内で進みきっていないキャッシュレス化ですが、そのメリットは大きく、今後日本でも推進の動きが予想されます。プラットフォームだけでなく、店舗側のインフラ構築、消費者の囲い込みなど、様々なビジネスチャンスが眠る巨大市場と言えるのではないでしょうか。

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