米国スーパーチェーンのTrader Joe’s(通称トレジョ)は、かわいいエコバッグやお手頃価格の商品がそろっているお店として人気で、その商品は米国へ行ったお土産としても好まれています。1960年代にカリフォルニア州にオープンして以来、多くのヒット商品やトレンドを生み出し続ける当店には、ほかのスーパーマーケットと比較していったいどのような違いがあるのかをチェックしてみましょう。

キャッチーな店内POP

トレジョの魅力のひとつとして挙げられるのが、店舗を飾るポップでキャッチーな手書きPOPです。店舗前のバナーはもちろん、おすすめ商品に関する情報や商品名が手書きされている看板・ポスターなどが、店内のいたるところに掲示されています。
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店舗入り口に立っているイベント告知の看板

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店内の手書きPOP

シーズンに合わせたデコレーションにもこだわっており、その折々で全く異なった雰囲気の中でショッピングを楽しむことができるのも、お客様に「飽き」を感じさせないポイントです。

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クリスマスシーズンの店内デコレーション

店舗内は常に多くのスタッフがいて、お客様に話しかけてちょっとした会話を楽しんだり、新商品やセール商品の試食を勧めたりしているのも特徴的です。試食コーナーとして固定ブースを設けるのではなく、スタッフがお客様のもとへ商品を持っていき、その商品の魅力やストーリーを話しながら試食をしてもらうというスタイルは、お客様のエンゲージメントを高めるユニークでパワフルなプロモーションといえるでしょう。

ユニークなパッケージで購買を後押し

トレジョでは多くのオリジナル商品(プライベートブランド)も販売されています。シーズン限定のオリジナル商品もあり、「去年買っておいしかったあの商品を今年も食べたい!」とお客様に感じていただくことで、リピーターの獲得にも成功しています。

また、トレジョのこだわりはオリジナル商品のパッケージにも表れています。海外の食文化を取り入れた商品も多く、店内で日本語に出会うチャンスもあります。

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MOCHI RICE NUGGETS(おかき)のパッケージには日本語の表記も。

日本でもお土産として人気の高いエコバッグは、ノーマルバージョンと地域限定バージョンがあります。

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テキサスバージョン(左)とノーマルバージョン(右)のエコバッグ

地域限定バージョンのエコバッグは、通常ほかのエリアでは入手しにくいものです。また、クリスマスシーズンになると全米各地のエコバッグ3枚が入った福袋のような「ミステリーバッグ」が登場し、人気を集めています。

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ミステリーバッグ

あえて「文章」にこだわるチラシ

店頭プロモーションのツールは「ビジュアル重視」で制作されることが一般的ですが、トレジョではあえて「文字」中心のタブロイドのようなチラシを発行することで独自性を出しています。

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頭に置かれた「Fearless Flyer」というチラシ

「Fearless Flyer」は、直訳すると「大胆不敵なチラシ」。一般的にチラシというとビジュアルやカラフルな写真による商品訴求をイメージしてしまいますが、「Fearless Flyer」の見た目はチラシというよりはもはやタブロイド紙のよう。
また、その内容は月のおすすめ商品や季節限定商品に関する情報を文章を主体にしてたっぷりと詰め込み、新商品誕生のストーリーやオススメ商品を使ったレシピなど、お客様が「読み物」として楽しめるように工夫されています。

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新聞のような見た目のFearless Flyer

まとめ

同じ業種でも人気のある店舗にはやはりお客様を引きつける個性があるものです。オリジナル商品や、キャッチーな店内の手書きPOP、話しかけやすい店員……Trader Joe’sはいろいろな方法で、お客様の興味を喚起しています。企業にとって大切なのは「他社と比べて自社が打ち出しやすいポイント」「ターゲット顧客の好みに合いそうな、ユニークな個性」といったUSP(Unique Selling Proposition)を見極め、それをプロモーションに役立てていくということなのではないでしょうか。

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