EC・小売の革命となるか!? Amazon Go、Dash Buttonの衝撃

まずはこちらの動画をご覧ください。 
https://www.youtube.com/watch?v=NrmMk1Myrxc 
リンク:youtube「Introducing Amazon Go and the world's most advanced shopping technology」 

既にご存知の方も多いかとは思いますが、昨年12月5日にアマゾンが2つの発表を行いました。 1つ目は上記動画にもあるコンビニ事業への進出。「Amazon Go」と名付けられた店舗で2017年にアメリカでの店舗展開を開始します。2つ目がスイッチ一つでECの注文が完了する「Amazon Dash Button」の日本発売です。 

これらは日本にどのような影響を与えるのでしょうか?

Amazon Goはレジ無し・会計無しの未来型小売店舗

まずはAmazon Goの仕組みを簡単にご紹介します。 
入店時に専用アプリを入れたスマートフォンをゲートにかざして、個人の認証を行います。あとは自由に商品を取り、会計も何もせずにそのまま店から出るだけでOK。 
IoTデバイスやカメラ、AIを活用して「その人がどの商品を棚から取ったか」を認識し、店舗から出る際に持っている商品分の金額をアマゾンのアカウントから引き落とすという仕組みです。 

日本ではまだセルフレジや電子マネーの導入が徐々に進み始めた段階で、購入した商品を個別にレジに通さなくても、まとめて一括で認識できるGUのセルフレジが昨年は話題になりました。しかし、そのようなサービスのはるか先を行くシステムが登場することとなります。

日本の小売へのインパクトとは?

今回のAmazon Goの発表について、小売・流通の全国協会に所属する男性に、Amazon Goの印象や周囲の反応について伺いました。 

脅威という意味では間違いなく脅威になる。特にコンビニや最近国内で出店が増えてきているミニスーパーのような業態では、強みとなる身近さ・手軽さという面では勝負にならない。 
流通の問題と、日本には海外よりも重視される接客というサービスがあるから、現時点ですぐにAmazon Goに業界が淘汰されると言うようなことは起こらないと思う。しかし、システムとしては効率化を行いつつ、その分必要な箇所に人的リソースをきちんと割くような、日本向けにローカライズした運営が行われる可能性は大いにある。

サービスが必要とされる店舗とそうでない店舗の差別化はより明確になっていきそうです。また、Amazon Goが店舗としてだけでなく、小売のシステムとして導入される可能性もありそうです。

顧客情報量=企業力の傾向が進み、Amazonはさらなる情報を獲得

近年マーケティングは個人の趣向や生活情報、購買情報をベースとした、One to Oneマーケティングに急速にシフトしています。そんな中Amazonは、通常ECでは買わず出勤や帰宅途中にちょっと買うような商品の購買情報までも、Amazon Goによって全て獲得することができるようになります。 
こうなると、どのエリアで、どのくらいの時間に、何を買うのか、という情報でその人の生活形態の詳細まで推測することが可能。その情報を元にした、さらに精度の高い個別アプローチへとつながっていきます。 

2016年9月にAmazonをはじめ、Google、Microsoft、Facebook、IBM等の名だたる企業が人工知能分野での提携を発表しました。このAI開発プロジェクトはオープン化された状態での進行が予定されています。つまり、今重視されているのはAIそのものよりも、「AIに渡す情報」と「その情報をどのように活用するか」ということ。AI自体があっても、活用する情報を持っていない限り大きな意味はなく、Amazonはその両方を揃える動きを着実に進めています。

店舗→ECからEC→店舗へ。真のオムニチャネルの仕組みとは?

いま日本では小売店舗のEC展開と、POSとECの統合が進められています。一方Amazonはその逆となるECをベースとしながら、リアルでの購買チャネルの拡大を進め始めています。 
Amazon Goに先駆け、書店「Amazon Books」を既に展開し、ボタンを押せばECでの購入が完了して商品が届く「Amazon Dash Button」もリリース。Webが得意とする計画購買と、リアル店舗が得意とする非計画購買の長所を併せ持つ、真のオムニチャネルとも言える仕組みを次々と生み出しています。 
これらのサービスはECをベースとした、Amazonならではなのかもしれません。 

今後、小売店舗をメインに展開してきた企業は、Amazonとは異なる強みを持ったオムニチャネルの有り方をいかに示すのか? マーケティングにおける基本中の基本とも言える「強みと差別化」の考え方は、今回のAmazon Goの登場によって大きく変化しそうです。

関連記事