書籍・雑誌の売上減少はもはや耳にタコができるほど周知の話。そんな中で出版社が取り組む最もベーシックなデジタル施策というと「電子書籍の販売」です。NTTドコモの「dマガジン」、Amazonの「Kindle Unlimited」、楽天の「楽天マガジン」といった電子書籍のサブスクリプションサービス(定額読み放題)で電子書籍の売上を伸ばそうとしていますが、漫画以外のジャンルでは中々進んでいないのが実情。
電子書籍の販売ではなく、出版社がデジタル領域で「メディアを持ち」「コンテンツを発信する」モデル=コンテンツマーケティングに取り組むべき理由をご紹介します。

理由1:コンテンツデベロッパーの強みが生きる

出版社はそもそもコンテンツ制作を最大の強みとする会社。当然コンテンツマーケティングとの相性は抜群です。いまWebマーケティングの世界ではコンテンツマーケティングが全盛を迎え、各企業その必要性に迫られています。しかし、現実的な問題として重くのしかかるのが運用の手間とコスト。
しばしば課題として「社内ではコンテンツ制作・運用できる体制を構築できない、でも外部に運用を任せるコストも捻出できない・・・」という声を耳にします。そんな中、コンテンツ制作が得意技の出版社は他の業種に比べ、コンテンツマーケティング導入・継続のハードルが圧倒的に低いのです。

参考サイト:ロレンス
https://lrnc.cc/
モーターサイクル&スポーツカーを中心として「オトナのためのライフスタイル&エンターテインメントマガジン」。モーターマガジン社がコンテンツ制作で協力している。

理由2:コンテンツではなくメディアを売るモデルのノウハウがある

出版社のデジタル戦略が遅れを取っている原因のひとつが、Web進出黎明期に「Webはユーザーを雑誌購買へと誘導するメディア」「コンテンツ(電子書籍)を販売するメディア」としてだけ捉えてしまった出版社が多かったこと。分かりやすい例では、自社サイトに一部の漫画のWeb版を掲載し「最新話は雑誌を買って見てね」とつなぎこみを行うケースです。これではWebのマネタイズが行えず、「Web=お金にならないもの」という認識が少なからずあります。
しかし、出版社はコンテンツデベロッパーであると同時に、雑誌というメディアのオーナーでもあります。Webメディア自体のマネタイズを進めていくと、雑誌と同様にコンテンツをキーに自社メディアに人を集め広告収入を得ていく、というシンプルなオウンドメディアのひとつの形になっていきます。
コンテンツのみの販売とメディアを含めた展開では、マネタイズ段階で圧倒的な差が生まれます。

参考サイト:枻出版
https://www.ei-publishing.co.jp/
コーポレートサイトのコンテンツ中心のオウンドメディア化に取り組んでいて、雑誌購読への誘導だけでなくWeb上での広告配信等のマネタイズを行っている。

理由3:根強いファンがいる&Webには情報が上がりにくい ニッチジャンルを持っている

大手の総合雑誌を除けば、本来雑誌はニッチな情報を集めたもの。当然雑誌を購読するような熱心なファンはウェブ上でもその分野に関する情報を得ようとしたり、検索することがあります。
しかし、そのターゲット層の年齢層が高かったり、ITリテラシーが低い層だった場合、Web上に競合となる情報が少ないケースがあり、ブルーオーシャンに打って出ることができるのです。特定の属性を持ったファンを自社メディアに獲得できるということは、広告媒体としての価値も獲得できるということ。

Webマーケティング × 出版社

ここまで出版社がコンテンツマーケティングに向いている理由を紹介してきましたが、決して出版社がWebマーケティングの専門家であるわけではありません。外部のパートナーとWebマーケティングやコンテンツマーケティングの設計段階から協議をし、コンテンツを制作しながら適切なPDCAサイクルを回していく。そうすることで、強いメディアをデジタル領域にも持つことができるのではないでしょうか。

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