猫に支配されるマーケティングの世界!? ネコノミクスの実態

最近、猫を目にする機会増えていませんか? 猫の散歩をしている人はあまりいないので町中で見かけることは少ないですが、ウェブでもテレビでも、広告でもエンタメコンテンツでも大量の猫情報であふれています。この猫ブーム「ネコノミクス」の経済効果は2兆円を超えるという試算もあり、マーケティングの世界でも大きなムーブメントとなっている要因を探っていきます。

SNS中心となったネットメディアとの好相性

現在のマーケティング戦略においてネットを考慮しないということはまずありえません。その際の重要なテーマは「拡散性」です。その拡散の軸を担うのが各種SNSでシェアされること。 
コンテンツをシェアしたいと思う理由は感動と共感で、「すごい!」「きれい!」「かわいい!」と思ったものを、他の人にも同じように感じて欲しいという欲求でシェアがされます。その時に感動はしていても「シェアすることで自分が○○な人と思われないか?」という自分のイメージへの影響が心配されるとシェアを踏みとどまってしまいます。 
例えば、面白いと思ってもセクシーすぎるコンテンツであれば、「自分はそういう人間だと思われないだろうか?」と踏みとどまるケースがあります。その点、動物や絶景コンテンツは自分に悪いイメージがつくことはない、全く無害なコンテンツで、その分シェアがされやすい特性があります。 

拡散を狙い高品質の動画コンテンツを制作しても、可愛く「ニャン♪」と鳴く猫に負けてしまったとなればガックリもしますが、それだけ動物コンテンツはSNSとの相性がよく、かつコストパフォーマンスが高いのです。

なぜ犬ではなくて猫なのか

日本のペットの代名詞といえば以前までは当然犬でした。同じ動物マーケティングなら猫でなく犬でも良さそうなものですよね。実際の飼育頭数は犬の方が多いにも関わらず、ネット上では圧倒的に猫の情報が多いのです。 

・飼育頭数
犬:991.7万頭
猫:987.4万頭
※出典:一般社団法人ペットフード協会『平成27年 全国犬猫飼育実態調査』 

・Google単語検索ヒット数
犬:37,800,000件
猫:66,400,000件

犬より猫の情報が多い要因には諸説ありますが、ここではそのうちのいくつかをご紹介します。

スマホで手軽にSNS投稿

犬よりも猫コンテンツがネットに多い要因のひとつは、スマホを使用したSNS投稿には外で飼われることも多い犬よりも、室内にいる猫の方が手軽に撮影→投稿ができる点があります。SNSに自撮りを投稿しようと考えた時、一緒に映ってくれる可愛い猫がいてくれれば反応も良くなりそうですよね。

リアルでのローカルコミュニティが成立する犬としない猫

基本的に散歩が必要な犬と不要な猫。散歩をすることでご近所での「犬飼い主コミュニティ」が成立し、互いに情報交換や我が子自慢ができるのに対し、猫はリアルでの飼い主交流が起こりにくい状態です。 
そのためネットで「かわいいかわいい我が子自慢」として猫情報、猫コンテンツの発信が犬よりも起こりやすいと言われています。

IT関係職に就く人は猫が好き?

ネットでの情報発信は一部の人のみが行うものではありませんが、それでも発信の主体となりやすいのがIT関係者で、SEやプログラマ等の職種には猫派が多いと言われています。その理由の一つが犬は外向的な人物に好まれるのに対し、猫は内向的な人物に好まれる傾向があるため。 
コミュニケーションを主体した職種には犬派、個人での作業が多かったり芸術系の職種には猫派が向いていると言われます。

細分化される犬派、広くターゲティング可能な猫派

犬は犬種による個体差が大きく、飼い主も「犬」という括りではなく「柴犬」が好き、と細分化されるケースが比較的多いと言われます。 
それに比べ猫の場合は「猫」が好きな人の割合が犬よりも高いため、犬と猫のコンテンツの対象者が同じ数の場合、猫の方がより多くの消費者に受け入れられるコンテンツとなります。

日本人のライフスタイルの変化

共働き家庭の増加に伴い散歩へ行く時間が負担であったり、住環境の変化で鳴き声の騒音トラブルや、単身世帯での飼育が難しいことなど、犬を飼うハードルが高くなり、実際に飼育頭数でも犬と猫の差が減少。猫の飼育頭数が犬を上回るのも時間の問題となっていまが、単純に最近新しく飼われるペットとしては猫の方が多いという事情もあります。 

と、細かい理由は置いておいても、可愛い動物の動画がSNSに流れてきたら、やっぱり笑顔になり、シェアもしてしまいますよね。ただし安易にマーケティングに利用してしまうと、今の鋭い消費者には浅はかな企業だと思われてしまうかも!?

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