「Trick or Treat!」のかけ声で街中がにぎわう10月31日のハロウィン。アメリカ中がオレンジと黒で包まれ、ハロウィンパーティーやTrick or Treatなどのイベントがめじろ押し。まさに、ワクワクする日です。この日を待っているのは、もちろん子どもたちだけではありません。世界最大級のパレードが行われる、ニューヨークシティのウェストビレッジでは、大人も本格的な仮装でパレードやバーに繰り出し、大盛り上がりです。

大人も子どもも楽しみに待っているハロウィンは、企業にとっても最高のプロモーション機会。National Retail Federationによると、アメリカの約3分の1の人たちが9月からハロウィンの準備を始めると回答しており、コスチュームやデコレーションの関連グッズは9月初旬からすでに店頭で発売されています。この消費者のトレンドに合わせ、各社のプロモーション開始時期も年々早くなる傾向にあります。

世界初のあのモバイルサイトも登場

Digitally Approved.comによると、2014年に比べて2015年のモバイルでのハロウィン関連キーワード検索数が1000%上昇したという統計がでており、消費者のモバイル活用が飛躍的に増加しています。

そんな中、2015年のハロウィンにおけるマーケティング戦略で圧倒的にメディアの話題となったのが、モバイルを効果的に利用した、アメリカの大型スーパーTarget。同社は、衣料から生鮮品までなんでもそろう、日本でいうショッピングモールのような大型小売チェーン店で、北米で約2,000店舗展開しています。白地に太めの赤の二重丸を施したロゴや、独特の世界観を持つ広告ビジュアルで、特にブランド戦略に力を入れている会社として有名です。

同社は昨年、ユーザー情報から構成される、Trick or Treatに最適なエリアを表示する世界初のモバイルサイト、Treatsterをリリースして話題になりました。郊外では家もまばらなので、どのあたりの地域がハロウィンのデコレーションがたくさんあって、どこの家がおいしいキャンディを配っているのかを把握することは、子どもにとっては一番の関心ごと。そんなみんなの知りたい情報を、各ユーザーがGPSマップ上にハロウィンのパンプキンをかたどったピンで指し示すことで、多く票の集まった人気地域がサイトに表示される仕組みです。もちろん、プライバシーの問題もあるため、個人宅を限定するのではなく一定の地域をさすような配慮もなされていました。Forbesでは、このサイトは子どもたちのためではなく、注目を集めるような外観のデコレーションやキャンディの質などでの親たちの競争心をあおり、消費を促すツールとなっていると分析しています。

ちなみに、ニューヨークシティなど都市圏では、安全面の懸念があり、保護者はTrick or Treatイベントの場所に十分注意をしなければなりません。そのため、各都市圏の自治体では、メインストリートの車両道路を数時間ブロックしてキッズパレードを開催し、その界隈のお店からキャンディをもらうTrick or Treatの様式が中心です。このTreatsterの誕生によって、安全なスポットも確認できるので、これから我が家で大活躍しそうです!

効果的な動画使いでブランド力アップ!

毎年さまざまなハロウィンキャンペーンを行うTargetですが、昨年は「The House of Hallow Hill」というYoutubeビデオシリーズをリリースし、その画期的なプロモーションが注目されました。

お化け屋敷が舞台の6つのビデオシリーズで、最初のビデオでは主人公の「私」が電話を取られてしまうところからストーリーは始まります。ビデオひとつひとつがお化け屋敷の中の部屋になっており、ビデオを見ながら盗まれた電話を探していくのです。しかし、ただのビデオで終わらないのがすごいところ。ビデオ内で、360度自分の好きなところにカーソルを動かせるので、まるで自分がその部屋にいてあたりを見回しているかのようなバーチャル・リアリティを体験できます。また、各部屋に置いてあるものはすべてTargetで購入でき、最後の部屋までたどり着くと、10%割引のクーポン券が表示されるというサプライズも消費者にとってはうれしい限り。

また、このビデオシリーズは、アメリカ人のある気質も意識して作られているようです。というのも、アメリカ人は季節によってインテリアを変えるのが大好き。季節や行事によって、トイレやらリビングルームやらそのテーマ専用の飾り用タオルに変えたり、小物をリビングに置いたりすることで、季節の変化を楽しんでいます。(注:アメリカでは実際の手を拭くタオルと飾り用タオルが別々にあり、飾り用タオルで手を拭くのはご法度という暗黙のルールがあります。)

ハロウィンは、そんな人たちにとっても一大イベント。このビデオシリーズも、ハロウィンの熱狂的ファンをターゲットに作られたそうで、家のデコレーションを異常に凝る人たちのためのインスピレーション材料として使われるように仕向けられているのです。

おもしろくて伝わりやすい!商品プロモーションビデオの作り方とは?!

みなさんは、自社の商品説明として動画を活用していますか?例えば、自社の商品とハロウィンを掛け合わせてみたら、どんなプロモーションができるでしょう?電化製品のLGは、ハロウィンといえば「怖い話」=「どっきり」の発想で、商品の魅力を引き立てる動画作りに成功しました。

LGのテレビのキーワードは「Lifelike Colors(本物みたいな色)」。そんなLGのテレビモニターの鮮明さを広めるため、同社はドッキリするような実験を行い、その映像でプロモーションビデオを作成しました。その現場は、隠しカメラが設置された普通のエレベーターの中。人が乗りこむと、エレベーターの床が突如抜けてしまいます!じつは、エレベーターの床にLGのテレビモニターを敷きつめられていて、床が抜ける映像が流されたのです。しかしながら、そのあまりにリアルな映像に、エレベーターの中の人々は大慌て!隠しカメラが押さえた、人々の真に迫るドッキリのリアクションとともに、言葉では説明しきれないLGの高精細でリアル感あふれるテレビの魅力を訴求している好事例ですね。

日本でもここ数年で、ハロウィンブームは一気に盛り上がりをみせています。単にイベントを開催して終わるのではなく、ウィットを効かせた動画やモバイルでのプロモーション戦略で、消費者の心をくすぐる仕組みづくりをしてみてはいかがでしょうか?

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