いま、Web広告は、どんどんインタラクティブになり、動画広告などのクオリティも上がってきています。でも、ただクオリティが上がればよいわけではありません。同時に考えたいのが、ユーザーの気持ちです。実は「不快感」を抱いているというアンケート調査の数値データも出ているのです。そこで今回は、Web広告がユーザーにどのように受け取られているのか、実際のところが分かる各調査結果をご紹介します。

■動画広告やSNS広告に不快感

株式会社ジャストシステムが実施した「動画&動画広告 月次定点調査(2018年2月度)」では、動画広告に対する不快感を生じるメディアの種類や程度を知ることができます。

動画広告で不快感を抱いているのは「Webサイト」と回答した人が80.4%と最も多く、次いで「その他のスマートフォンアプリ」が77.6%、「YouTube」が76.2%という結果でした。
また、動画広告を見た人の約2割が「不快に感じた動画広告をブロック」しています。

同社の別調査「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2017年9月度)」では、SNSで表示される広告についての不快感の程度も知ることができます。「不快感を抱くことが多い」と回答した人の割合は「Twitter」が29.9%、「Facebook」が 26.1%、「Instagram」が25.0%、「LINE」が23.5%という結果でした。

これらのデータから、動画、SNS広告を発信する企業側としては、深刻にとらえたほうがよさそうです。

■Web広告に不快を感じないケースは?

これらの不快感の状況を知ると、反対に、不快を感じないケースはどのようなときなのかが気になります。

2017年10月にGMOメディア株式会社が運営するプリキャンティーンズラボが、スマホを所有している中学生以上の10代女子に対して実施した「10代女子のスマホ広告に関する調査」では、「スマホ利用中に広告が表示されると嫌な気分になる」と答えた人が84.5%にも上っていました。

しかし、「気になって調べていた商品が広告として表示されると、さらに興味がわく」が54.2%、「スマホを利用中に広告が表示されても、興味のある商品・サービスだと不快に思わない」が52.6%と過半数にも上っています。

これを踏まえると、閲覧時に差し込まれる動画広告やSNS広告は、不快を感じることがあるものの、興味のあるものであれば不快には感じないケースがあることも分かります。このことから、広告はまさにターゲティングが重要になってくると考えられます。

■ユーザーに好かれる動画広告・SNS広告の制作におけるポイント

不快を感じさせてしまう動画広告やSNS広告へはどのような対策があるでしょうか。制作におけるポイントを確認しておきましょう。

●ユーザーに、自分に関係のあるコンテンツだと思ってもらう

細かなターゲティングにより、興味関心を喚起できれば、不快感を回避することができます。

●ユーザー体験を邪魔しない

広告のフォーマットを選ぶことも重要です。海外では、ユーザーが自ら閲覧する広告の種類を選択できるしくみを採用しているケースもあります。ユーザー体験を邪魔しない、ユーザー自身が選び取っていく自由なスタイルにすることも今後、検討の余地がありそうです。

●コンテンツの質を上げる

そもそも、コンテンツを入念に選べば、邪魔なコンテンツではなく、シェアしたいコンテンツになり得ます。ユーザーがシェアしたいと思える質の高いコンテンツ作りは欠かせません。はじめは多少抵抗を感じていても、実際に見てみたら質が高く共感したというケースもあります。このことを考えれば、コンテンツの質を上げることはとても重要といえます。

まとめ

質の高い動画広告などのWeb広告を作ることはもちろんのこと、それらを作った後、それだけで満足せず、その広告をいかにターゲットに見てもらうかということも重要です。

もし広告の動画制作を効果的に実施したいのであれば、ターゲット分析からターゲティング、運用までトータルで考えることがポイントになりそうです。ユーザーにとって本当に有益で、不快を感じさせない、ユーザーに寄り添うコンテンツ作りが実現できるでしょう。

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