「編集」というと、真っ先に思い描くのは出版社や編集プロダクションのエディター(編集者)が行う業務ではないでしょうか。
しかし、「編集力」は特定業界の専門的なスキルではなく、今広くビジネスに必要とされる思考やスキルをカバーする、とても重要な概念になってきています。
編集力とは何か? なぜ今のビジネスに必要とされるのかをご紹介していきます。

編集力とは何か?

編集という業務はとても幅が広いもので、しっかり分担されているケースもあれば、編集者が一人で雑誌やムックを作ってしまうケースもあります。
大きく分類すると、まずは「情報収集」から始まり、集めた「情報の整理・分類」、それを基にした「企画」、企画に沿った「コンテンツ制作」を行います。
これらの要素が今の時代になぜ求められるのでしょうか?

情報の海から必要な情報を収集し分類する

Webメディアの発展以降、人が1日に接触する情報量は以前とは比べものにならないほど膨大になっています。日々の業務も忙しいビジネスパーソンが、当然その全ての情報を得るわけにもいきません。そこで重要になるのが、自分に関連があり有用な情報をいかに得るか? そして得た情報をいかに分類し、体系立てて整理することができるかです。

編集の基本となるのは常に情報収集。情報を効果的に集め、整理・分類し、企画化する。編集業務における情報収集と整理の工程と同じく、日々の情報もただ集めるだけでは使える情報にはなりません。しっかりと情報を整理し、関連付け、自身で消化することで初めて使える、身になる情報になります。

ネット上では「情弱(情報弱者)」「情強(情報強者)」などという言葉も使われるようになっていますが、ネットワークにアクセス可能なデバイスを持っているという同じ条件下で、しっかりと情報を得ることは現代のライフスキルと言えるほどに重要なものです。

企画力・コンセプト力を発揮する

Webメディアの発展は情報発信の主体をメディアから個人にまで広げました。情報発信力を持った個人を活用するインフルエンサーマーケティングが活性化しているように、今後は1個人のメディア化がさらに進んでいきます。

また、ビジネスの基本であり最重要点のひとつでもある他社との差別化においては、コンセプトが欠かせません。コンセプトを軸として明確な方向性を持ち、一貫したビジネス活動を行っていくことが求められます。

この双方に必要になるのが「企画力」です。企画力とは、ずばり”考える力”。そして考えを”形にする力”です。自身が持っている情報を様々な角度から検討し、一つの方向性を見出す。そして、その方向性に対して周囲からの理解や興味を得るための”コンセプト”を作り出します。

編集力全体ではなく、企画力まで分解すると、皆さんにも必要とされるスキルだと感じることができるのではないでしょうか? しかし、企画力を発揮するためには、自分でしっかりとした情報の収集及び整理、そしてアウトプットの経験が不可欠です。あなたの身近にもいる良くアイデアを閃く人、企画力がある人も、多くのケースでは決して特別な才能によるものではなく日々の”編集”の積み重ねによって、企画力を身に着けているのです。

アウトプットの地道な継続が一番の近道

ここまで編集力とは何か? なぜ今の時代に求められるのかについてご紹介してきました。では、編集力を身につけるためにはどうすればいいのか? 答えは単純。アウトプットを繰り返すことです。

企画にかぎらず、文章を書くことなども含めアウトプットが苦手と言う人がいます。しかし、その多くのケースは単純にインプットが足りていません。慣れなくても、最初はスキルが無くても、10のインプットを行えば1のアウトプットは行えるというのが定説です。

つまりアウトプットを行うためには、情報収集も、情報の整理・分類も、企画も行う必要があるので、必然的に”編集作業”を行うことになります。日記やブログなど、まずは簡単に始められるものからアウトプットの習慣を作り、編集力習得に挑戦してはいかがでしょうか。

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