「いいね!」を押してもらうだけでは足りない!ひとりのユーザーにつき、302人の友達を引きこませたエアアジアのSNSマーケティング

Facebookなどを使ったSNSマーケティングのメリットは、ひとりのユーザーから多数のユーザーへ、口コミで情報が拡散していく点にあります。とはいえ、あるユーザーがどれほどあなたの会社の商品やサービスの宣伝になるような投稿をしてくれたり、「いいね!」ボタンを押してくれたりしても、つながっている友達全員がそれを見てくれるわけではありません。
マーケティング担当者としては、ひとりでも多くの友達に拡散してほしいもの。どうすれば確実に多数の友達を引きこめるのか、エアアジアの事例を含め、Facebookを利用したSNSマーケティング成功事例を3つご紹介します。

302人の友達と貸し切りの飛行機で旅行

マレーシアの格安航空会社「エアアジア」は、シドニー線就航に際し、Facebookを使ったSNSマーケティングを実施しました。 競争の激しい業界に新規参入した同社は、ブランド認知を向上させ、シドニー線の便数を倍増し、各便の座席利用率80%を実現したいと考えていたことが背景にあります。 

キャンペーンの内容は、ユーザーがFacebook上の友達302人を選んで応募、当選者はその友達と一緒に貸し切りの飛行機で、シドニー・クアラルンプール往復旅行できるというもの。友達の中から誰を選ぶのか、それぞれの座席はどこにするか、プレミアムシートには誰を座らせようか、など、ワクワクするようなプロセスを通して、ユーザーをブランドにエンゲージさせ、かつ、302人の友達に情報を拡散させる、という二重の効果があるキャンペーンです。 

キャンペーンは国際的なニュースに取り上げられるほどの話題をよび、メディア掲載によるPR効果は1,627,593ドル、2,291,483人のFacebookユーザーにリーチという結果をあげました。目標としていた座席利用率はシドニー線全便平均で82.5%を達成し、便数も倍増させる予定となりました。

新車の購入資金をFacebookで募る!6000人超が登録したクライスラーのキャンペーン

アメリカの自動車メーカー「クライスラー」は、1960~70年代にかけて生産していた大型乗用車「ダッジ・ダート」の復活販売開始に合わせたSNSマーケティング「ダッジ・ダート・レジストリー」 を実施、キャンペーン登録者が6000人を超えるという好結果を得ました。
「ダッジ・ダート・レジストリー」は、車の購入を希望するユーザーが、ほしいパーツやオプションを決めて、その購入資金の提供者をつのる仕組み。結婚を控えた新郎新婦が、お祝いに贈ってほしいものをリストにして友人知人に配布するアメリカの習慣、「ウェディング・レジストリー」を応用したものです。 

「ダッジ・ダート・レジストリー」では、専用ウェブサイトで作成した「ほしいものリスト」をFacebookにリンクできるオプションをもうけました。Facebookが、多数の友人、知人、親戚に対して資金提供をよびかけるのに適したツールであることを利用したというわけです。さらに、このキャンペーンではFacebookの誕生日通知機能も活かされています。Facebookからの通知を受けて、ユーザーに誕生日メッセージを送った人が、「これをプレゼントしてほしいんだな」と分かるからです。 
このキャンペーンのポイントは、ユーザーが資金提供を募ったり、提供者へのお礼のメッセージを投稿したり、資金の集まり具合について書き込んだりする過程において、多数の消費者に対するブランド認知向上がはかれること。さらに、資金が集まったユーザーが車を買うため、実際の車両販売にもつながるというメリットもあります。

まだ会ったことのないFacebook友達と「リアル」で友達に

Facebook上の友達の中には、まだ会ったことのない人や、何年も会っていない幼なじみや旧友がいるものです。ネスレは、そんなFacebook友達にコーヒーを持って会いに行こう、というSNSマーケティングを実施しました。 

1938年に世界で初めてインスタントコーヒーの販売を開始したネスレのコーヒー「ネスカフェ」は、日本を含む世界各国で知られるブランドです。ネスレは、どことなく古くさいネスカフェのイメージを一新し、若い世代からの支持を強化したいと考え、ターゲットとする世代が日常的にコミュニケーションツールとして使うFacebookを活用したキャンペーンを実施しました。 

キャンペーンの内容は、フランスに住むある平凡なFacebookユーザーが2か月の間にできるだけ多くのFacebook友達を訪問して一緒にコーヒーを飲み、その様子を録画したビデオをネスカフェのFacebookページとYouTubeで公開する、というもの。ビデオの再生回数が数日以内に50万回に達するというキャンペーンの人気ぶりを受けて、ネスカフェはさらなるSNSマーケティングを実施、上述のFacebookユーザーと同じ体験をしたい人を募ったところ、応募数26,000、「いいね!」の数19,000という好反響を得ました。 

その後、ビデオの再生回数は800万回を超え、ネスカフェのFacebookページのファンは400%増加、キャンペーンはフランスで社会現象を巻き起こすほどの大成功をおさめます。ひとりのFacebookユーザーが、別の友達を引き込むのにとどまらず、不特定多数に反響が広がったSNSマーケティング成功事例のひとつです。

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