顧客一人ひとりに、会社や商品の案内やカタログを送付するダイレクトメール。このデジタル時代に、まだ有効なのか?紙はもう廃れていくのでは?と思われるかもしれません。たしかにアメリカでも送付されている数自体は減っています。しかしレスポンス率の高さや物理的な接触がもたらす価値は評価されており、全体の郵便に占めるダイレクトメールの割合は増えているのです。GoogleやAmazonといったITの大手企業も活用し成功を上げており、今でも強く支持されるマーケティングツールといえるでしょう。今回は工夫をほどこし、効果的にダイレクトメールを取り入れた事例をご紹介します。

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事例①Webサイトへの誘導とパーソナライズ

あるデザインカンパニーのキャンペーン事例は、「Webへ誘導」し顧客1人1人に訴える「パーソナライズ」に成功した典型例といえます。
バレンタインに「QRコード」を添付したカードを潜在顧客へ送付。カードを受け取ったユーザーが「QRコード」を読み取りWebサイトへ飛ぶと、“We Love You(私たちはあなたを愛しています。)”というメッセージと共に、親近感が持てる「メッセージカード」のようなビジュアルが現れるしかけになっていました。キャンペーンはEメール送付と合わせて行われました。

※参照:https://qrcodetracking.net/creative-jar-with-personalized-direct-mail-qr-code-campaign/

Webサイトとの連携には「QRコード」の添付が一役買っています。Apple社による最新のOS「iOS11」では、ついにiPhoneやiPadのカメラ機能でQRコードを「自動認識」できるようになりました。これにより顧客の動作がぐっと楽に、そしてさらに身近なものになることが期待されます。

事例②読むだけでなく遊んで楽しいカード

オンライン経由で依頼する洗濯サービス、LavOnlineのダイレクトメールはカード自体がユニークな例のひとつです。LavOnlineが送付したのは、「トマト形のボール」が入った箱型の郵便物。紙に描かれている「白いTシャツの絵」に対してそのトマトボールを投げると、べちゃっと潰れるものの、すぐに元通りになります。
これにより、この洗濯サービスの「スピードの速さ」と「クオリティーの高さ」を遊び心を交えながら、視覚的にも優れたイメージを訴求することができました。遊んで楽しい、イメージを自然に伝えられるダイレクトメールの新しい形といえます。このダイレクトメールを送付した結果、 4週間以内に、送付数の32%もの人がサイトに登録しました。

※参照:https://www.adsoftheworld.com/media/direct/lavonline_tomato_splat?size=_original

https://www.youtube.com/watch?v=h67g9akMqIk

事例③未来型、セールストークをするダイレクトメール

モバイルネットワークを提供するO2という企業は、自社サービスを効果的に宣伝する方法を考えました。各企業の幹部に直接話をしたいものの、多忙で個別に時間を取るのは難しい。そこで「ホログラムボックス」なるものを送付しました。ボックスを開くと、“Digital Dave”という仮想のセールスマンがホログラムで登場してしゃべり、直接自社サービスの良さを訴えかけるのです。再レクとメールそのものがセールストークをする仕掛けです。また、「〇〇さん」と名前で呼びかけるなど個別対応することで、受け取った相手は知らず知らずのうちにダイレクトメールにぐっと引き込まれます。

※参照:https://www.thedrumcreativeawards.com/dream-awards-2016/direct-single-execution-campaign/o2-hologram-box-digital-dave

まとめ

以上のように、Webとの連携や楽しい開封体験といった工夫を重ねたダイレクトメールは引き続き強く支持されるでしょう。これからは、 ダイレクトメール単体としての効果だけでなく、他のマーケティング手法と組み合わせたりしながら、上手に取り入れ、顧客達を引き込んでいくことが大切であると言われています。

また今後は、盛り上がりを見せているAR(拡張現実)との融合も注目されています。ARとは、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を“仮想的に拡張する”というものです。最もわかりやすい例としては、最近大ヒットした「ポケモンGO」がそれにあたります。例えば、スマートフォンのカメラを通しダイレクトメールをみると、カード上でキャラクターが浮かび上がり宣伝をしてくれるといった、より魅力的でハイクオリティーなコンテンツとして発展させることが期待できるでしょう。

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