現地経営者に聞く!デジタルマーケティング最新事例【インドネシア(後編)】

SNSマーケティング戦略に関して、日本とインドネシアで顕著な違いがあるのはInstagram(インスタグラム)の活用です。日本では個人のインスタグラマーが企業と契約を結び、商品のPRを行う手法がよく行われていますが、インドネシアでは企業の公式アカウントもあれこれ工夫して、積極的に消費者に向けて情報提供を行っています。この記事では、インドネシアに進出している日本企業のインスタグラムを使ったマーケティング手法をご紹介します。

1.クチコミ効果で学習者を増やす 公文のインスタ活用事例

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公文はインドネシアに進出した当初、日本人駐在員の子どもを対象としていました。その後、1993年に、現地法人インドネシア公文を設立し、現地の子ども向けのサービスを本格的に展開。現在では12万人を超える学習者数を誇ります。
Kumonindonesiaのフォロワー数は、約1万8,000人(2017年11月時点)。公式アカウントでは、学習に取り組む子どもたちの写真のほかに、子どもたちの感想が入った顧客の声、公文インドネシアが主催するイベントの告知などが行われています。各投稿に対するいいね!数も数百を超えているほか、♯kumonindonesiaのハッシュタグの投稿も5,600件以上投稿されています。公式アカウントへのコメントには迅速に、かつ、丁寧に返信がなされており、そういった点も企業に対する安心感につながっているといえるのではないでしょうか。 

地縁や血縁を重視するインドネシア社会において成功するためには、地域等のネットワークなどによるクチコミ効果は無視できない存在です。公文が運営する公式インスタグラムアカウントは、このようなクチコミを促進し、企業と消費者とのコミュニケーションを円滑にするツールとして機能しています。 

2.現地のママたちの心に寄り添うMomyPokoindonesia

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加速する少子化の影響で、日本におけるベビー用オムツ市場は縮小する一方です。このような状況に先手を打つかたちで、ユニ・チャーム株式会社は「マミーポコ」ブランドで、いち早く海外への進出を果たしています。現在、インドネシアのベビーケア事業におけるシェアはなんと58%。もちろん、SNS対策もぬかりなく、インスタグラムの公式アカウント「MomyPoko Indonesia」のフォロワー数は、約3万4,000人(2017年12月時点)を誇ります。公式アカウントでは、子育てに関する様々な情報提供がなされています。

 単なる子育て情報だけではなく、ユーザーのお子さんのほほえましい記念写真をハッシュタグつきでアップロードさせる定番施策や、クレームめいたコメントに対しても真摯に対応するという姿勢などが総合的にフォロワーからの信頼を得て、新たなフォロワーを獲得しています。

3.インスタ映えするメニューがカギ!ペッパーランチのインスタ活用事例

インドネシアに進出した日本の飲食店のなかでも、圧倒的な存在感をもつペッパーランチ。首都ジャカルタだけでなく、インドネシア全域で52店舗を展開(2017年11月時点)しており、インスタグラムのフォロワーは約5万人います。(2017年12月現在)

pepperlunchidのインスタグラムアカウントを見ると、まず目に飛び込んでくるのがおいしそうなメニューの写真の数々。日本でも飲食店でインスタ映えする写真を撮ることがブームになっていますが、食欲をそそるメニューを撮影した画像は世界共通の引きのあるコンテンツといえそうです。そして、pepperlunchidの大きな特徴は、さまざまな情報を画像化してPRに活用している点です。たとえば、新メニューや割引の情報などを、インスタグラムを使って拡散しています。そのほかにも、新しく店舗を開設する場所をイラストとして掲出し、それがどこなのかを当てるクイズキャンペーンなどもあります。クイズの答えを読者が考え、店舗の場所をコメントとして書き込んでもらうことで、消費者の頭のなかにその場所が確実にインプットされます。このように、消費者が楽しみながら簡単に参加できて、かつ、店舗の場所を覚えてもらうといった企業メリットもあるPR施策を積極的に展開しています。

インスタグラムの大きな特徴として、画像や動画といったビジュアルで消費者に訴えかけるツールであることが挙げられます。そのため、写真や動画で「もっと見たい」「もっと知りたい」という消費者の心を、実際の消費等のアクションにつなげる導線をきちんと作っておくことが重要です。インスタグラムのアカウントだけでなく、実際に商品を購入できるECサイトや店舗の情報がわかる公式サイトの内容も連動、充実させる必要があります。このような点も踏まえた上で、インドネシアの消費者へのアプローチの一つとして、インスタグラムを研究、活用する必要があります。

デジタルマーケティング事業、動画クリエイティブ制作事業をインドネシアで展開する白土さんによると、インスタグラムは女性に偏ったメディアととらえられがちですが、インドネシアでは男性もエンターテイメントとして利用しているそうです。性別問わず、有効なメディアであることがうかがえます。海外でビジネスを行うときに最も大切なのは、現地の人々の文化や国民性を知ることです。SNSを通じて現地の人々の「今」に触れることが、ビジネスの成功の第一歩になるのではないでしょうか。

※前編はこちら

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白土 航太様
PT.CUEBiC DIGITAL INDONESIA

インドネシアにてwebマーケティング事業、動画制作・マーケティング事業を展開。
ヒトオリエンテッドなデジタルマーケティングをミッションに掲げ、デジタルな時代だからこそ活きる「ヒト」に寄り添ったマーケティングが強み。
親会社 株式会社キュービック

参考http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1710/03/news064.html
http://www.kumon.ne.jp/press/3976/
https://www.instagram.com/kumonindonesia/
http://www.unicharm.co.jp/ir/report/progress/1199567_9776.html
http://www.pepperlunch.com/world/indonesia/

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