企業として成長を続けるためには、ロイヤリティーの高いファン層を作り上げる必要があります。世界中に多くのファンを持つ企業のひとつであるLEGO社は、人種や年齢といった枠を超えて愛されている企業です。こうした世界的企業に成長した背景には、オンラインのコンテンツで企業の魅力をアピールしたり、ファンのロイヤリティーを育てたりといった、さまざまなマーケティング戦略があります。今回はその一部を紹介してみましょう。

YouTubeチャンネルを賢く活用

世界中で10億人を超えるユーザーを持つYouTubeは、動画サイトとして圧倒的な人気を誇り、情報拡散のツールとしても効果が高いものです。動画マーケティングを行う企業にとってYouTubeチャンネルを設置することは、企業のファン数や視聴回数、再生時間の増加を促す手法として注目されています。

LEGO社のオフィシャルYouTubeチャンネルには、常に新しい動画が追加されています。投稿されている動画の種類は広告だけではなく、マニア向けの凝った内容のものやミニムービーをシリーズ化したものなど、ジャンルもさまざま。次々に他のものを見たくなるし、面白いものはシェアしたくなるという仕組みで、ファンの希望に応えています。

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また、チャンネルに投稿されている動画には、さまざまな言語のものがあります。英語はもちろん、日本語、韓国語、中国語……ブロックを組み立てて視覚的に楽しむもの、という世界共通のコンセプトがあるため、母国語の動画でなくても楽しく見ることができるという性質をうまく活用しています。グローバルに展開している企業が動画マーケティングを行ううえで、言語を問わずに活用できるコンテンツを作成することは、コストや労力の面でも効率の良い手法といえます。

ファンのコンテンツ紹介でロイヤリティー向上

ブランドのファンとして、「自分の存在をブランドから認めてもらう」ということはとてもうれしいことですよね。こういったファンの心理をうまく利用し、企業へのロイヤリティーを向上させる手法のひとつとして、LEGO社では、ツイッターを活用しています。

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ファンはまず、ブロックを使った面白いアイデアや、自分がどれだけマニアであるかを証明するコンテンツを、「#LEGOFanoftheweek」というハッシュタグを添えて投稿します。LEGO社はその中から、優れた投稿を選んで自社のツイッターアカウントで紹介してくれます。ファンにとっては、自分の投稿が選ばれるかも……という楽しみはもちろん、実際に選んでもらえた時の喜びは計り知れないものでしょう。

ファンに「LEGO社は自分たちの意見を大切にしてくれる」「自分たちのことを見てくれている」と感じてもらうことは、企業とファンの間の信頼関係を築くために重要な役割を果たします。信頼関係こそが、ファンのロイヤリティーの基盤となるわけですから、マーケティングの一環としてファンとの交流手段を確保し、ロイヤリティー向上に努めることは企業成長のキーとなります。

LEGO IDEASでファンも新作開発に貢献

LEGOのファンにとって、独自のデザインを考えながら小さなブロックをもくもくと組み立てることは、至福の時間ともいえるでしょう。こういった作品は、自分のウェブサイトやSNSを使って世界各国の人とシェアできるわけですが、それがもし新作レゴの開発に役立つとしたら、さらにうれしいのではないでしょうか。

LEGO 社が設立した「LEGO IDEAS」というウェブサイトでは、ファンが自分の作品を投稿したり、ほかのファンが投稿した作品の中で気に入ったものへ投票を行うこともできます。投票数が1万を超えると、その作品をLEGO社のスタッフがチェックし、審査を経て、商品化へと進んでいく仕組みになっています。

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LEGO社は、「ブロックを組み立てることで、将来の担い手である子供たちにいかにインスピレーションを与えるか」を目指しています。 クリエイティブなファンのアイデアをこういった形でうまく取り入れることで、消費者がどういったレゴ製品に興味があるのかのニーズを把握し、常にフレッシュな目線で商品開発に役立てていけるのです。

自社の魅力を上手に伝えファンに愛され続ける

商品やサービスを継続的に購入してもらうためには、顧客のロイヤリティーを保持していく必要があります。さまざまなマーケティング戦略で自社製品の魅力を伝え、消費者に「商品を使いたい」「商品の楽しさをほかの人ともシェアしたい」と感じさせることに成功しているLEGO社。そこには、今後さらなる成長を目指す企業にとって、学びたい要素がたくさんあります。

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