日本国内のペット関連ビジネスの市場規模は、1兆4千億円にものぼると言われています。景気の低迷や震災の影響による抑制から一時期ほどの勢いは見られないものの、比較的堅調な成長を続けています。
この記事では、ペット業界における顧客関係性管理の重要性と、業界ならではの特殊性について考えてみましょう。

ペットにも人間と同等のサービスを

ペット産業成長の背景のひとつとして、ペットを「コンパニオン・アニマル」とみなす考え方が世間に浸透してきていることが挙げられます。そうした考え方の変化により、飼い主がペットに対して投じる費用や時間は年々増加の一途を辿っています。ペット用の洋服はもとより、おもちゃ、家具、果ては専用のデザートまで、ペットを取り巻く商品は数え上げればきりがありません。

ペットサロンや獣医(ペットホスピタル)などの分野においても、人間と同等のサービスを期待する飼い主が増えてきています。ペットビジネスを展開していくうえでは、そうした点も考慮に入れて顧客との関係性を管理していく必要があります。

ペットサービスにおける「顧客」は誰か?

ペットサービスの分野における顧客関係性管理の特徴として、「顧客」が「飼い主」と「ペット」の二重構造になるという点を挙げることができるでしょう。たとえばペットサロンなら、シャンプーやカットなどのサービスを利用する直接の「顧客」はペットですが、サービスの利用を決定し、利用料を支払うのは「飼い主」です。

DMの宛先は飼い主でなくてはなりませんが、体格や体毛の色、長さといった属性についてはペットの情報を管理することになります。顧客データとして「飼い主」と「ペット」を二つ一組で管理するこの構造は、教育産業の顧客データの形とよく似ています。

口のきけないペットの情報をきめ細かく管理する

もう1つの特徴は、主たる「顧客」であるペットは人間と違って自分で明確な意思表示をすることができない、という点です。このため、サービスの内容によっては、ペットの性格や性質などを「顧客情報」の一環として管理する必要が生じます。

たとえばペットサロンなら、「水を怖がる」「ハサミを怖がる」「人見知りが強い」といった情報を把握しておくことで、担当者が変わっても前もって準備することが可能となるでしょう。ペットホテルなら、どんなエサが好みか、ホテル滞在中の様子(神経質、人なつっこいなど)といった情報が、よりよいサービスの提供に貢献するはずです。
口のきけないペットだけに、個々の性格・性質への配慮がサービスの品質に大きく影響してきます。

事例紹介

米国のペット向け保険販売のスタートアップ企業「TRUPANION」では、コールセンターを設けて顧客からの問い合わせに対応しています。

顧客がコールセンターへ連絡してくるとき、情報だけでなく「安心」も強く求めている、とTRUPANIONは考えています。口の効けないペットにとって、有事の際には一分一秒の遅れが重大な意味を持つ場合があります。オペレータが即時に必要な情報を検索・対応することができなければ、顧客に不安感を与えてしまいかねません。

TRUPANIONは柔軟なカスタマイズが可能なCRMを導入し、顧客が必要とするペットの情報を管理。同時にこれをコールセンターのシステムとシームレスに統合し、オペレータが顧客からの問い合わせに対して迅速かつ適切な対応が行える仕組みを構築しています。

Pet Insurance for Your Dog or Cat – Trupanion

「ワン・トゥー・ツー」のマーケティングを支える柔軟なCRM

かつては使役動物として飼われることの多かったペットも、今や大切な家族の一員として扱われるのが当然となっています。このように人々のペットに対する考え方が変化した今、人間と同等の関係性管理を行うことが、ペットビジネスを成功させていくうえでますます重視されるようになっていくでしょう。
ワン・トゥー・ワンならぬ「ワン・トゥー・ツー」のマーケティングを実践していくためには、ユニークなデータ構造を管理できる柔軟性に富むCRMツールの導入・活用が求められます。

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