「モノよりコト」時代を象徴する・「ポップアップストア」成功の秘訣

2017年7月、amazonがamazonプライムの10周年を記念して六本木にポップアップストアをオープンしたニュースは記憶に新しいところでしょう。amazonのみならず多くのメーカーやネットショップなどがポップアップストアのオープンに乗り出しています。

この記事ではポップアップストアの概要について説明し、成功させるために知っておくべきポイントについてお話します。

そもそもポップアップストアとは?

ポップアップストアとは、数日~数週間の期間限定でオープンする店舗を指す呼称です。
WindowsなどのOS上で、デスクトップ画面などの何もないスペースを右クリックして表示される小さなメニューを「ポップアップメニュー」と呼びますが、何もないところにいきなり「ポン」と店が現れる様子には、確かにこの「ポップアップ」という言葉がよく似合います。

人通りの多い駅や商業施設の空きスペース、商店街の空きテナント、レンタルスペースなどを利用して出店されるケースが多く、ポップアップショップ、ポップアップリテール等の名前で呼ばれることもありますが、いずれも同じ意味だと考えて問題ありません。

なぜポップアップストアを開くのか?

ここ数年、ポップアップストアが広く注目を集めるようになりました。
メーカーやネットショップなどをはじめとした多くの企業が、商品のプロモーションやテストマーケティング、ブランディングなどを主な目的としてポップアップストアの開設に乗り出しています。特に、もともと実店舗を持たないEC専業のショップがオフライン展開への足掛かりとしてオープンするケースが増加しつつあり、効果的なマーケティング施策の一つとして認識され始めているようです。

有名なところでは、大手通販会社のフェリシモの運営する「フェリシモ猫部」やオットージャパンの運営するファッション通販「FABIA」が、顧客向けサービスの拡充やテストマーケティングなどを目的としてポップアップストアをオープンしています。

フェリシモ猫部は阪急西宮ガーデンズ店やJR大阪駅構内などに常設の実店舗を構えていますが、その他にもさまざまな地域で積極的に期間限定ショップを立ち上げています。また、FABIAも東京の表参道や二子玉川に常設のショップを構える一方で、不定期にポップアップストアをオープンしています。

元来、ネット上でしか見られなかった商品を実際に手に取って眺めたり、試着したりできるポップアップストアは両社の顧客にとっても魅力的な存在として好意的に受け入れられているようです。

ポップアップストアのメリット・デメリット

ポップアップストアのメリットは、なんといっても手軽に実店舗をオープンできることでしょう。
通常の手段で店舗を構えようとすれば多額の初期投資が必要となりますが、ポップアップストアなら、場所によっては1日数千円程度から実店舗をオープンすることも可能です。オープン費用は場所や時期によって異なるものの、常設の実店舗を構えるのに比べれば低いコストでお店を開けるのは間違いありません。

反面、期間限定であること、売り場面積が常設の店舗よりも限られがちであること、店舗デザインも本格的な実店舗に比べて妥協する必要があることなどは、やはり店舗設計上の制約となります。つまり、ポップアップストアはテストマーケティングや期間限定のプロモーション目的には適するものの、実店舗販売を長期に渡って継続しようという目的にはあまり向いていないということができそうです。

ポップアップストアを成功させるために……

昨今は「ポップアップストア」というだけで高い話題性を期待できるため、プロモーション目的と割り切って運営すれば、高い効果を期待することができるでしょう。

特に、10代、20代を中心とした若い世代の消費者は、インスタグラムなどのSNSに投稿するためのフレッシュな「ネタ」を常に探しています。単にモノを売り買いするだけでなく、モノにまつわるストーリー(コト)が消費者を魅了するのです。こうしたニーズにうまくアピールできれば、SNS経由で高い拡散効果を狙える可能性もあります。

とはいえ、手軽に出店できるからといって、単に流行に乗って無計画にショップをオープンするのは考えものです。というのも、商品やサービスの性質によってはポップアップストアに適さないものもありますし、出店する場所や時期を見誤ると、せっかくポップアップストアを出店しても、あまり効果を上げられずに終わってしまう可能性もあるためです。

自社の製品・サービスの主要ターゲットが誰なのかを正しく見極め、ターゲットがもっとも集まる場所・時期を選ぶこと――これはポップアップストアに限らず、物販におけるマーケティングの鉄則です。話題のポップアップストアにチャレンジしようとお考えの方は、こうした基本に沿って計画を練り、少ないコストで最大の効果を上げられる出店プランを組み立ててみてはいかがでしょうか。

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